アメリカにおける国民皆保険制度(Minimum Essential Coverage)~オバマ改革(オバマ・ケア)の影響~

健康保険加入が必須!アメリカの国民皆保険さて、今回はオバマ改革、 オバマ・ケアがアメリカの健康保険に与える影響に関してです。
このアメリカにおける国民皆保険制度のことをミニマム・エッセンシャル・カバーレッジ:Minimum Essential Coverageと言います。オバマ政権が取り組んでいる医療保険制度改革(2010年にオバマ大統領が署名した事から、オバマ・ケアとも呼ばれる)であり、アメリカ国民・税務上の居住者に対して保険加入を義務付け、保険加入率と高める等を目的としています。アメリカでは高額医療費の為に、破産する人も多い為、保険加入者が増える事で破産者の食い止めにも期待が寄せられています。
もちろん、実際にオバマ改革の影響については様々な点において議論がなされているかと思いますが、今回は、オバマ・ケアによるアメリカの皆保険制度に対して、私たちが具体的に何をする必要があるのか?について簡単に見て行きましょう。
 

アメリカ国民皆保険(Minimum Essential Coverage)の加入に対する責任について

今回の改正によって、連邦政府、州政府、保険会社、雇用主、及び個人に至るまで、すべての人がアメリカの健康保険の適用範囲を改善するための責任を共有している、とされています。また、個人としては、毎月、もしくは確定申告をする際にまとめて、健康保険の支払をする必要がある、と定めています。
 

適用対象

子供を含め、全ての人が対象となりますので、扶養家族がいる場合には、その分の支払いもする必要があります。
 

施行のタイミング

2014年1月から施行されます。また、もし2014年中に該当する健康保険に加入していなかった場合、2014年の確定申告をする際に、1年分をまとめて支払う必要がある可能性があります。よって、2013年の確定申告には影響はありません。
 

どの保険が「健康保険」とみなされるか?

ほとんどの健康保険はその対象となるが、実際には保険に加入する際に、もしくは加入している保険会社に確認をとると良いでしょう。
通常、Vision Care(眼科治療)やDental Care(歯科治療)といった局部的な保険のみでは要件を満たさないようです。
 

健康保険に加入しなくても良いケースは?

健康保険に加入しなくて良い条件として、9つの代表的なケースが挙げられています。
その中でも一般的なものは、
1)所得金額として連邦の確定申告をする必要がない、
2)連続した未加入期間が3ヶ月以下の場合はその期間、
3)保険料の支払いが、総所得の8%以上に相等し、支払いが難しい
4)税務上、アメリカの居住者とみなされない
5)税務上、アメリカの居住者であるが、アメリカ国外に長期滞在している。
等が考えられます。
*税務上の居住者としてみなされる場合には、健康保険に加入している必要が有るようですので、今後ビザでアメリカに来ている人は、その種類や租税条約の影響が非常に重要となってきます
 

具体的に何をすればいいの?

アメリカに合法的に滞在している人で、アメリカの健康保険に加入されている方は、殆どの場合何もする必要はありません。強いて言えば、現在加入されている保険が、今回の改革においても対象となっているかどうかの確認をするくらいでしょうか。
また、アメリカに合法的に滞在している人で、かつ健康保険に加入されていない方は、政府が今年の10月にオープンするHealth Insurance Marketplaces:ヘルス・インシュランス・マーケットプレイス  (https://www.healthcare.gov/marketplace/individual/) というサイトから、様々な保険を比較、加入することが出来るようになっている、とされています。
加えて、自分が加入しなくても良いケースに該当する、と考えられる人も、上記のサイトから証明証を取得する必要がある様です。
 

まとめ

上記のポイントを簡単にまとめると、以下のようになります。
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さて、以上が今回のアメリカのおける健康保険改革についての簡単な説明となりますが、いかがだったでしょうか?
上記にもあるように、既に健康保険に加入している人にとっては、特に大きな変化は無いといっていいでしょう。また、今までなんとなく加入していた健康保険プランを見直す一つのキッカケになるかもしれません
 

本記事のおさらい問題

さて、おさらいです。どこまで把握できているかご自身に問い掛けてみましょう。

問題: 以下のうち、改革後も健康保険の加入義務のない人は?

  1. Hビザ(労働ビザ)でアメリカに来ている場合
  2. Fビザ(学生ビザ)でアメリカに来ている場合
  3. Jビザ(研究者・リサーチャービザ)でアメリカに来ている場合
  4. 日本にいるアメリカ市民権を持っている日本人と2014年12月31日に結婚をした場合

回答をご希望の方は、弊社までお問合せください
 
参考リンク
IRS:
http://www.irs.gov/uac/Questions-and-Answers-on-the-Individual-Shared-Responsibility-Provision
http://www.irs.gov/uac/Affordable-Care-Act-Tax-Provisions-for-Individuals-and-Families
尚、本制度は新しく出来た制度ということもあり、今後どの様に変化していくのか、引き続き注視していく必要がある様です。上記の情報は、あくまでも2013年8月時点における情報となっています。また、以上はあくまで一般的な情報であり、実際のケースとは異なる場合がございます。個別のケースに関しましては、弊社までお問い合わせください。
リーディングカンパニー米国公認会計士事務所

By : leadingcompany /8月 28, 2013 /ニュースリリース /0 Comment

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