さて、今回は滞納してしまったアメリカの税金についてです。
通常、個人の方がアメリカで確定申告をされると、多くの方が“還付(Refund:リファンド)”という結果になりますが、少なからず追加で税金を支払う必要がある方もいらっしゃいます。
これは、通年を通しての源泉徴収が足りなかったり、思ったよりも所得が多かったり、等の場合に追加で税金を支払う必要があるわけですが、還付となるものと思っていたものが支払です、となると、金額によっては直ぐに支払ができない場合もあるでしょう。
また、個人事業主の方や、アメリカで会社経営をされてる方で、IRSより調査が入り、今までの確定申告で計上していた経費の一部が認められなくなるケースもございます。
この場合には、追徴課税も含め、相当な金額を支払わなければならないケースも考えられます。
それでは、上記の様に、追加でアメリカ税務当局に税金を払わなければならない場合や、意識的でなくとも結果として滞納となってしまった場合の税金に関して考察してみましょう。
1. IRSから通知が届いた場合
- IRSから納税の通知が届いた場合、まずはその年の確定申告を担当した会計士や税理士に連絡を取り、この様な通知が届いたがどの様に対応するべきかを確認してください。尚、連絡が取れない場合や対応が悪い等、ご不安、お困りの場合には弊社までご連絡ください。[お問合せはこちらから]
- IRS側から通知が来ても、必ずしもその金額が正しい、というわけでは無く、修正申告等をすることにより納税の額を減らすことが可能なケースもあります。また、当局からの通知を装った業者からのレターの可能性もありますので、まずは専門家の方にご相談ください。
- 届いた通知に覚えがある場合には、速やかにお支払いの手続きを取る必要があります。また、手元に全額を支払うだけの余裕がない場合には、ローン等を使って借り入れをし、そこから返済をする事も検討する必要があります。これは、通常ローンの金利のほうがIRSから課せられる金利+ペナルティよりも安く済むためです。
2. オンライン(Electric Funds Transfer System)で税金を支払う
- IRSへの支払については、EFTPS(Electric Funds Transfer System)のウェブサイト
(https://www.eftps.gov/eftps/)からオンラインで電子送金(税金の支払い)をすることができます。 - 予定納税(Estimated Tax:エスティメイテッド・タックス)等もこの方法で支払うことができますが、支払う前に当ウェブサイトにて アカウントを作成する必要があります。
3. クレジット・デビットカードで税金を支払う
- 上記の方法の他に、クレジットカードやデビットカードで税金の支払をすることも可能です。カードを使って支払をする場合には、クレジットカード会社等の分の費用(手数料)が掛かることも考えられますが、場合によっては安く済むケースもある様です。
- 以下のリストがIRSで勧められています。(http://www.irs.gov/uac/Pay-Taxes-by-Credit-or-Debit-Card)
4. 税金支払期日の延長
- 120日以内に税金の支払いが可能な場合には、支払期日の延長が認められることもあります。
- オンラインで申請をすることができますが、電話でも手続きをすることが可能です。
- 通常、手数料等が掛かることはありません。
5. 分割払い(Installment Agreement)は可能か?
- もし税金を払わねばならない時に一括で払うことができず、またローンを組むことも困難な場合には、分割払いを選択することも可能です。
- 支払わなければならない金額が$50,000以下の場合には、オンラインで申請をすることができ、手続きも比較的早く行われます。
- この際の支払には、銀行口座からの自動引き落としを選択することにより、もれなく支払をすることが可能です。
- また、支払わなければならない金額が$50,000を超える場合には、所定のFormを提出する必要が出てきます。
- 尚、分割払いの場合には手数料が掛かる場合があり、かつ利息も付き続けるので、可能であればローン等を利用して返済するほうが良いでしょう。
6. 減額申請(OIC = Offer in Compromise)
- この方法を使うことによって、実際に決定された納税金額について減額の申請をすることが可能です。
- これは、支払期日の延長や分割払いをしたとしても、全額を支払うことが難しい場合に適用されます。
- この方法に関しては、非常に手続きが複雑であり、例えばどの程度の所得があるのか、また生活に掛かる費用はどの程度なのか、等の情報が必要であり、また、必ずしも受理されるとは限らない点から、最後の手段、という事になります。
以上が代表的なアメリカにおける追加納税に係るお話でしたが、大切なのは予め税金の額を予想し、適切な量の源泉徴収・予定納税をしておくことです。そうすることにより、追徴課税を免れたり、必要な手続きにかかる手数料を防ぐことができ、結果として大きなメリットを享受することが出来るでしょう。
参照リンク
http://www.irs.gov/Payments
※上記の内容に関しましてはあくまで一般的なケースであり、全てのケースに当てはまるわけではございませんので、詳細に関しましては、弊社までお問い合わせください。
リーディングカンパニー米国公認会計士事務所