さて、今回は普段と違って、過去のアメリカにおける確定申告書(インカムタックスリターン)についてのお話です。皆さんは過年度のアメリカ確定申告書をしっかりと保管していらっしゃいますか?アメリカで確定申告をしたらそれで終了、という訳ではなく、何年かたってから突然税務当局から通知が来たり、アメリカでの学生ローンや住宅ローンを申請する場合に古い情報が必要になるかもしれません。
そういった時に直ぐ取り出せるようにしっかりと保管しておく事が重要なのですが、なぜかそういう時に限って過年度のアメリカ確定申告書が見つからなかったりするのもよくあることです。
そんな時にどうするか?
一番簡単なのは、その年度に依頼をした米国公認会計士にコンタクトをとることです。
ですが、古い情報になると会計士側でも情報を保管していないケースや、会計士にコンタクトが取れない等、必ずしもその方法で確定申告書を取り寄せるのが難しい事もあります。その様なケースになると、税務当局からアメリカ確定申告書のコピー、もしくはトランスクリプトを取り寄せる事になります。
それでは、まずは具体的にどの様な情報を取得できるのか、を見て行きましょう。
4つの取り寄せ可能な過去アメリカ確定申告書
1. トランスクリプト(Transcripts)が 必要な場合
- トランスクリプトの取得は無料で、過去3年間分迄取得することができます。大抵の場合、必要な情報はここに含まれています。
2. 税務申告用トランスクリプト(Tax Return Transcript)
- 税務申告用のトランスクリプトは、実際に申告をした申告書の殆どの情報が記載されているもので、申告をした際に添付したFormやScheduleの 情報も含まれています。
- このTranscriptは、 確定申告を行った後に行われた変更を含んでおりません。
3. 税務申告後分トランスクリプト(Tax Account Transcript)
- 税務申告後分のトランスクリプトは、実際に確定申告が提出された後、当局、もしくは納税者が行った変更が反映されています。
- このトランスクリプトには配偶者の有無や提出したForm、及び、調整後所得と課税所得の情報が含まれています。
4. 確定申告書のコピー
- これは、実際にアメリカ税務当局へ提出したFormのコピーとなります。
また、上記の内1から3の トランスクリプトを取得するためには、アメリカ税務当局のウェブサイトへ行くか、電話(1-800-908-9946)で手配することができます。
電話以外でも、所定のForm(Form 4506-T, 4506T-EZ等)をアメリカ税務当局へ郵送、もしくはFaxを することにより手配することも可能です。
電話で手配をする場合には5~10日程度、郵送の場合には30日 程度で書類が送られてきます。
上記の4、Form 1040等 実際に提出した申告書のコピーが必要な場合には、Form 4506に必要事項を記載の上、当局へ提出する必要があります。また、その際に手数料として各年度分それぞれ$57を支払う必要があります。
※この手続きで取得できるのは一般に過去6年間分とされています。実際のコピーの場合には、約60日程度で書類が送られてきます。
以上より、実際のコピーを取得するには、その情報だけを取得するよりも時間と費用が掛かってしまうことがわかります。ですので、目的は何なのか、どの情報が要求されているのか、トランスクリプトではダメなのか、をしっかりと確認することが大切でしょう。もちろん、一番良いのは古い確定申告書もしっかりと保管しておくことです。
※上記の内容に関しましてはあくまで一般的なケースであり、全てのケースに当てはまるわけではございませんので、詳細に関しましては、弊社までお問い合わせください。
リーディングカンパニー米国公認会計士事務所