さて、これからアメリカでビジネスを始めよう、アメリカで起業しようという方にとって、“税金”という言葉は一番聞きたくない単語で はないでしょうか?
確かに見方によっては、利益が増えても税金も増えてしまうとも考えられますが、この税金のお陰で私たちがアメリカで普段使用しているフリーウェイや信号などの恩恵を受けることができることを考えると、むしろしっかりアメリカで会社を運営し、利益を出し、払うべき 税金を払う、という姿勢が大事なのではないでしょうか?
さて、ちょっとアメリカの税務署寄り(?)な書き出しで始まりましたが、もちろんアメリカの税務署(以下、IRS=アメリカ合衆国内国歳入庁)も皆さんがビジネスで成功されることがとても大切であると考えている様です。それはなぜでしょうか?
なぜなら、アメリカには日本以上の個人事業主・起業が切磋琢磨しておりますので、税収も莫大な金額になるから です。そんなIRSですから、当然、税金についてもできるだけ失敗をして欲しくない、と考えています。
今回は、そんなIRSから送られてきた簡単な指針をお送りします。
※IRSは連邦における税務を司る庁であり、州の分に関しては別であることをご注意ください。
アメリカで事業を始める際に知っておくべき5つの事
1. アメリカでのビジネス形態について
まずは、どの様なアメリカのビジネス形態で展開していくのかを決めることが大切です。
アメリカでは個人事業主(Solo Proprietorship)という形での展開が一般的ですが、それ以外にもパートナーシップ(Partnership)や有限会社 (Limited Liability Company, LLC)、或は株式会社(S Corporation or C Corporation)等 の選択肢があります。
※米国外の住人がカリフォルニアで会社を設立する際には、株式会社(C Corporation)が一般的です。
2. 税金の種類について
一般的な事業をする人にとって関係が深い税金は次の4つです。
- 所得税(Income Tax)
- 自営業者税(Self-employment Tax)
- 雇用税(Employment Tax 従業員がいる場合)
- 物品税(Excise Tax ※Sales Tax=消費税とは別)
特に物品税に関しては、販売するものによって課せられる場合もありますのでご注意ください。また、詳しく知りたい方は、弊社までお問合せください。
3. Employer Identification Number (EIN=雇用主番号)について
事業を始める時に、多くの場合にはこのEIN(雇用主番号)を取得する必要があります。雇用主番号は納税、税務申告をする際に必要となる番号です。弊社でも当EIN取得のサポートをしておりますので、EINに関する詳しい情報はこちらのページをご参照ください。
4. 記帳(ブックキーピング)について
事業を始めてから1年 が経った際には、確定申告をする必要があります。この際に大切なのは、日々の取引(収入や経費等)の記録がしっかりとされているかです。
例えば、昨年多くの損が出ており、今年は逆に多くの利益が出た場合には、記録さえしっかりと残っていれば 過去の損と相殺できるかもしれません。また、自分のビジネスの状況を監視する意味でも、記録をしっかりと付けておくことが大切です。
5. 会計処理の方法について
これは若干専門的な話になりますが、記帳(ブックキーピング)する際に現金主義(Cash Method)と 発生主義 (Accrual Method)、という2つ の考え方がありますので、そのどちらかを使うのか、が大切になります。詳しい説明はここでは割愛させていただきますが、事業を始める際に知っておく必要があることは、この様にいくつも存在しますので、気軽に相談できるパートナーがいると良いかもしれません。
以上取り上げました各種トピックは、掘り下げていくとここには書き切れないくらいの量になってしまいますが、少なくともIRSも少なからずみなさんの成功を考えている(?)と 考えると、少し気が楽になるのではないでしょうか?
※以上は、IRSよりの簡単な指針であり、実際には他にも検討しなければならないことが多くありますので、ご検討を頂く際には弊社までご一報くださいませ。
リーディングカンパニー米国公認会計士事務所