さて、アメリカで事業をする、もしくはアメリカの会社と取引をする場合や、個人としてもアメリカで確定申告をしたりしなければならない場合には、アメリカにおけるその組織、個人を特定する番号が必要となります。
今回は、その中でも代表的な番号について見て行きましょう。
EIN(Employer Identification Number)
これは、FEIN(Federal Employer Identification Number)とも呼ばれ、連邦雇用主番号、と訳されています。
この番号は事業を行う場合に使われるもので、一般的には法人の形態をとっている組織、もしくは、個人でも個人事業主としてこの番号を取得することも可能です。
ですので、アメリカで事業をしていない個人の方がこの番号を取得することはできません。
SSN(Social Security Number)
これは、社会保障番号と呼ばれる9桁の番号で、厳密に言うと税務に関係する番号、というわけではありません。
日本では戸籍のシステムが確立されており、昨今の住基ネットの導入を待たずとも、個人の確認を簡単に行うことができますが、アメリカではこの戸籍というシステムがありません。
そのため、個人の特定のために、このSocial Security Numberが使われることになります。
税務申告等の際にも当然この番号を使うことができますが、それだけが目的、というわけではなく、税務申告にも使える、というところでしょうか。
これは、アメリカ市民、永住権保持者、もしくは特定のビザをもった人のみ取得が可能な番号となりますので、日本に居住されている方が取得することは、基本的にはできません。
ITIN(Individual Taxpayer’s Identification Number)
こちらは、よくTIN(Taxpayer’s Identification Number)とも呼ばれますが、上記のようにSSNを取得することができない場合にこのITINを使うことによって、税務上個人を確定するための番号、となります。
例えば、日本からアメリカに不動産投資等をしている場合、アメリカで所得が発生すればアメリカで確定申告をする必要が出てきます。
ですが、確定申告をする際に必要なSSNは、日本に済んでいる限り習得をすることが難しいものです。
また、EINは事業としての番号となりますので、個人の確定申告に使うことはできません。
その様な場合に使われるのが、このITINとなります。
この番号は、アメリカにおける確定申告が必要、等の事由の場合には、通常SSNの取得できない様な人であっても、取得が比較的容易なものです。
そのため、日本に居住をしており、かつ、アメリカに投資をされている方は、ほとんどのケースでこの番号をご取得いただく必要がございます。
さて、今回は3つの税務に関する番号、EIN、SSN、及び、ITINに関して見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?
個人の方で関係がある番号としては、SSN、もしくはITINが一般的ですが、どちらも悪用されるケースが多いため、取得が難しくなっております。